脱毛① ウィッグを選ぶ
乳がんの診断が出て治療方針の説明を受け、
「手術後に化学療法も行なうため、脱毛します」と
聞いたときはショックでした。
アタクシの美貌が……!というんでなく(ないない、絶対)、
毎日いろいろな人に会うので、その人みんなに
「あれー、この人、ヅラ? もしかして重い病気?」と
心配されたり引かれたりするのは嫌だな、と思ったんです。
(いま考えると、心配すべきことの優先順位が間違ってる。
でも、最初に告知されたときの私が気にしていたのは
「今の日常をどこまで損ねず、続けられるか」ばっかりだったんですね。
そのくらい、「病んだ自分」を軽く見ていた。
大丈夫でしょう、小さいがんだし。と思ってた)
告知を受けてから気づいたのですが、
乳腺外科の待合室(って、廊下の一部ですが)には
色とりどりのウィッグのパンフレットが置いてあったのでした。
これ、のちに入院した病棟の談話室にもあったのですが
ア〇ランスとかア〇トネイチャーなど
CMでおなじみのウィッグメーカーで、値段を見ると
足元見てんのか!とムッとするほどお高い
(だから信頼できるのよ、とか、高機能なのよ、という
意見は当然あるとは思いますが……
原価に莫大な宣伝費がONされているのは間違いないわけで……)。
でもなー、安いヅラはばれるんだろうしなー、と悶々としていると、
職場の先輩(乳がんサバイバー)が
「がん患者サービス事業会社」のVOL-NEXTと、
同社が運営する「サービスステーションTODAY!」を教えてくれました。
http://www.v-next.jp/aoyama/ss_menu.htm
電話して予約を入れると、一対一で話を聞いてくれたり
ウィッグや下着・パッドを選ぶ相談に乗ってくれたり。
東京(港区青山)、大阪(心斎橋)に足を運べる人には
本当に助かるサービスだと思います。
私はそこでいくつかのウィッグを試し、スマホで写真を撮りました。
その後、親しい人に会うたび事情を伏せてその写真を見せると、
「えー、これウィッグなの? いつもと変わんないじゃん」と
言うんですね。そう、人は他人のアタマなんて気にしてないんです。
なーんだ、と思って再びステーションを訪ね、
最も自然だと評価された軽いウィッグを購入しました。
3万円くらいだったでしょうか。聞いたことないメーカー。
結果的に私は今まったくウィッグを使っていません
(いま現在ツルツルにキャップをオン♡)が、
たぶん1年くらい続いたヅラ社員生活を通して、
「それ、ウィッグですよね?」と指摘されたことは皆無でした
(噂にすらなってなかったみたいだから、礼儀でなく
ホントにバレてなかったんだと思う)。
地縁に恵まれ、そんな適当なウィッグ選びしかしてない私ですが、
アドバイスできるとしたら、
・意外にバレない。そんなに高くなくても大丈夫
・ずっと着けてるものなので、通気性と軽さは重要
・アンダーキャップ&ネットは「いかにも安物」NGで
・「着けた状態」を知人にチェックしてもらえると安心、かも
でしょうか。
「毛が抜ける」と考えると、(まず全女子にとって初体験だけに)
絶望的な気持ちになるのは当たり前です。
でも大丈夫、化学療法を終えたら半年くらいで
普通のショートカットくらいまで髪は復活しますから。
それまで世を忍ぶかりそめファッションだと割り切って
ウィッグ選びも楽しんでみてください。